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ビリルビンが正常高値だと呼吸器疾患および死亡のリスクが低い

2011/04

―ビリルビンが正常範囲内で高めの人は肺癌・肺気腫に罹患するリスクおよび死亡のリスクが低い―

ビリルビンは抗酸化作用により細胞保護作用があり、動物実験において環境ストレスによる肺の障害を予防できるとの報告があります。今回は血中ビリルビン値と呼吸器疾患の関連を調べた初めての研究報告をご紹介します。

イギリスで平均年齢54‐55歳の504206人を平均8年間追跡調査して、肺癌・肺気腫の罹患率および死亡率を調べています。肝疾患のある人は当然対象外です。

ビリルビンは、年齢が若い人・喫煙量が少ない人・BMIが低い人・裕福な人・飲酒量が多い人・血圧が高い人で、高めの数値になっています。(最後二つは逆なような気もしますが?)

ビリルビンの数値により5つにグループ別けると一番高いグループの男性では一番低いグループに比べ、肺癌になるリスクが40%・肺気腫になるリスクが23%・全死因死亡率が26%低下していました。女性でも同様にそれぞれ20%・17%・22%のリスク低下を認めました。

性別・貧困度・年齢・喫煙・飲酒・BMI・血圧で調整すると、血中ビリルビン値が0.1mg/dl上昇するごとに肺癌になるリスクは9.5%・肺気腫になるリスクは6%・死亡率は3%低下します。

ご自身のリスクをチェックする意味で、一度血中ビリルビン値を調べてみてはいかがですか?

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